頭痛外来について
頭痛の種類
頭痛は、血管の拡張や筋肉の緊張、
炎症や出血など何らかの刺激を
受けることによって起こります。
頭痛以外に特に目立った症状のない
一次性頭痛(=慢性頭痛)と
何か病気があって
その症状の1つとして
頭痛がみられる二次性頭痛の
2つに大きく分類されます。
一次性頭痛(=慢性頭痛)
原因がはっきりせず繰り返す、
いわゆる「頭痛持ちの頭痛」です。
頭痛で外来を受診する人の
ほとんどの方がこちらで、
それだけで命にかかわることはありません。
しかし日常生活に支障をきたす場合が
あるため適切な治療が必要です。
代表的なものに、以下の3つがあげられます。
慢性頭痛その1.「緊張性頭痛」
頭痛で受診する人のほとんどが
このタイプです。
特徴
- 毎日のように痛みが起き、
持続時間は30分から1週間 - 頭を何かで締め付けられるような痛み
- 首や肩の「はり」「こり」を
感じることが多く、
目の疲れ・身体のだるさ・
めまいなどを伴う
誘因
原因は身体的ストレスと精神的ストレスが
あげられます。
-
身体的ストレス
悪い姿勢・長時間のデスクワーク・
睡眠不足などによる
筋肉の緊張・血液循環の悪化 -
精神的ストレス
対人関係や仕事・家庭で悩みや
不安を抱えることで自律神経が
うまく働かなくなる
慢性頭痛その2.「片頭痛」
思春期から40代の女性に多くみられます。
特徴
- 頭痛の頻度は月に数回程度、
多いときは週に1.2回 - 頭の片側あるいは両側が
ズキンズキンと脈を打つような痛み・
吐き気や嘔吐を伴う - 痛みの前兆で、目の前がチカチカし
視野が見えにくくなったり、
手足のしびれやしゃべりにくく
なることがある
誘因
- 激しい運動や緊張から
開放されてホッとした時 - 女性は生理前や生理中の
女性ホルモンのバランスの変化 - 家族に片頭痛持ちがいる
- アルコールやチョコレート、
チーズなどを食べたとき
片頭痛のメカニズムに間接的に
作用するものであり、
副作用や禁忌もあります。
また慢性片頭痛に移行すると難治化し、
転職・欠勤など生活や仕事に
大きく支障をきたしますので、
抗CGRP関連薬が適応になります。
やや高額な薬なため、その目的や使用頻度、
奏功率などを患者さんやご家族含めて
十分にご説明した上で使用を
検討していきますのでご安心ください。
抗CGRP関連薬
-
アジョビ®をお使いの患者様とご家族の方へ
-
エムガルティをお使いの患者様とご家族の方へ
慢性頭痛その3.「群発頭痛」
緊張性頭痛や片頭痛に比べると、
最もつらい頭痛です。
特徴
- 20~30代の男性に多い
- 1年から数年に一度、
1ヶ月から数ヶ月、
毎日のように決まった時間に
痛みが起きる - 頭部の片側、眼の奥、
こめかみあたりが
「目をえぐられる」ような
激しい痛み - 目の充血、涙、鼻水、鼻づまりを伴う
誘因
まだ明らかになっていない点が多いですが、
頭部の血管の拡張が関係している
のではないかと言われています。
そのため、血管を拡張させるアルコールの
摂取は厳禁です。
また、心臓の病気等で血管を拡張させる
作用のある薬を服用している人は、
主治医の先生に相談が必要です。
二次性頭痛
二次性頭痛とは、
病気の症状として起こる頭痛です。
迅速に原因の疾患を診断し、
治療を開始しなければなりません。
二次性頭痛を伴う疾患と痛みの特徴には、
以下の代表的なものがあります。
くも膜下出血
これまで経験したことのない
バットで殴られたような激しい痛みで、
吐き気・嘔吐、意識消失を伴うことが
あります。
脳内出血
頭痛以外に、めまいや嘔吐、
手足のしびれや力が入らない、
言語障害などを伴うことがあります。
脳腫瘍
朝方の頭痛が有名で、
起床後はおさまることが特徴です。
嘔吐、進行性の片麻痺、
けいれん発作も現れます。
慢性硬膜下血腫
頭部外傷後、脳の表面に徐々に血腫ができ、
脳を圧迫します。
若い方ほど、頭痛を訴えることが多く、
高齢の方は、認知症の進行や
歩きにくくなったりすることで
分かることが多くあります。
一次性頭痛(=慢性頭痛)がある方は、
二次性頭痛が発生しても
「いつもの頭痛だろう」と
放置してしまいがちです。
しかし、このような頭痛は生命の危機に
直面する疾患の症状として
出現している可能性が高いため、
安易に自己判断せず、
早めに当院へご相談下さい。
当院の頭痛外来での取り組み
- 問診、神経学的検査、
CT/MRI検査などを行い、
頭痛の原因を診断します。 - 一次性頭痛に対しては、頭痛による
日常生活・仕事・家事・学業などへの
悪影響を最小限にすることを目標に、
適切な薬物治療や生活改善の
アドバイスなどを行います。 - 二次性頭痛と診断した場合は、
速やかに当院での入院治療を
行います。
Second opinion
納得のいく治療方法を選択するために
セカンドオピニオンも
お気軽にご相談ください
当院ではセカンドオピニオンを
実施しております。
脳血管疾患は一旦起こしてしまうと、
後遺症(麻痺や言語障害)を残し、
普段の生活に支障をきたしていまいます。
脳卒中の家系や、お悩みがある方は
是非一度専門医にご相談下さい。