急性期脳梗塞に対する脳血管内治療
急性期脳梗塞に対する脳血管内治療について
脳梗塞の治療は緊急を要します!
脳梗塞の発症から数時間以内であれば、詰まった脳の血管内の血栓を溶かして血流を再開してやれば、症状が回復する可能性があります。血流再開が早ければ早いほど、症状が回復して、後遺症も軽くなる可能性も高くなります。
tPAの適応外や効果がないときには脳血管内治療に期待!
発症から4.5時間以降でt-PA静注療法ができない場合や、t-PA静注療法の危険性が高い方や、t-PA治療を行っても効果がない方に対して、脳血管内治療というカテーテルを用いた治療法によって、詰まった血管の再開通を試みる場合があります。この治療は、発症より約8時間以内で、CTあるいはMRI検査で脳梗塞の初期所見が軽度な場合に効果があります。
脳血管内治療とは、カテーテルという細い管を足の付け根の血管から挿入して、頭の中の血管へ進めて行う“頭を切らない脳の手術”です。脳血管に閉塞や狭窄を認めた場合には、より細い管(マイクロカテーテル)を閉塞した脳血管内へ進めます。そして、詰まった血栓をカテーテルやガイドワイアーで粉砕したり、血栓溶解剤を注入して血栓を溶かし、閉塞血管を再開通させることを試みます。それで不十分なときには、バルーンカテーテルと呼ばれる風船付の細い管、あるいはステントと呼ばれる金属コイルを用いて、閉塞血管を再開通させたり、狭窄した血管を広げる手術を追加します。
この治療の問題点は、tPA静注療法と同様に、治療後におこる脳出血(出血性梗塞)です。もし、すでに死んでしまった脳(完全に梗塞になってしまった脳)に血流を再開させると、血管が裂けて脳出血がおこり、脳にさらに重大なダメージを与えることもあります。わずかな出血なら何の症状も出ませんが、大出血をおこすと症状は余計に悪化し、生命に関わることもあります。
脳梗塞への血管摘出術
治療実績44件(2015実績)